特別企画 講演2
IT/AIの病院への実装を目指して
演者:
陣崎 雅弘
(慶應義塾大学 医学部 放射線科学)
[抄録]
2018年より内閣府の戦略的イノベーション創造プログラムのAIホスピタルプロジェクトに当院も参加し、患者への安心・安全で先進的な医療サービスの提供と医師・医療スタッフの負担軽減を推進し、現時点で可能なAIホスピタルのモデルを構築することを目指してきた。
実施するにあたって2つのことに留意した。1つは、AIに興味を持つ一部の人が関わっているという状態ではなく多くの人が参画しているような組織の構築で、各診療科にAI担当医を配置し、中枢組織は小さく、裾野の広い組織にした。これにより、bottom upで課題が上がってくるようになり、課題の共有もできるようになった。2つめは、診療科に限定的な高度なことよりも、病院全体に共通する単純な課題に重点を置いたことである。この2点を行ったことで、我々のAIホスピタルプロジェクトは病院全体での取り組みになり、DXに近づいたように思う。
[略歴]
- 1987年
- 慶應義塾大学医学部卒業.
- 1987年
- 慶應義塾大学放射線診断科入局
- 1999年
- Harvard 大学付属Brigham and Women’s Hospital留学.
- 2006年
- 慶應義塾大学医学部放射線科学講師.
- 2009年
- 慶應義塾大学医学部放射線科学准教授.
- 2014年
- 慶應義塾大学医学部放射線科学教授.
- 2017年
- 慶應義塾大学病院副病院長(医療情報システム、IT/AI担当、予防医療担当).
- 2018年
- 内閣府の創造的イノベーションプログラム「AIホスピタルプロジェクト」担当.
- 2021年
- JST COI-NEXT 共創の場形成支援プログラム サブプロジェクトリーダー
[学会役職]
日本メディカルAI学会 顧問、日本画像医学会 理事長、日本腹部放射線学会 理事長、日本医学放射線学会 理事、日本循環器学会 理事、日本超音波医学会 理事、
[専門分野]
画像診断学(循環器、腹部・泌尿器領域)、人工知能の実装、機器開発