特別企画 講演3
AI研究に向けた医用画像とアノテーションデータの同時収集
演者:
武田 理宏
(大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学講座医療情報学, 大阪大学医学部附属病院医療情報部)
[抄録]
医療画像を使用したAI研究には、大量の画像データと良質なアノテーションデータを収集する必要がある。
大阪大学医学部附属病院は連携する医療機関と、大阪臨床研究ネットワーク(OCRネット)を構築している。OCRネットでは、画像収集ゲートウェイを各医療機関に配置し、電子カルテに組み込んだ電子症例報告書で指定した医用画像を前向きに収集する仕組みと、画像検査リストから対象画像を一括で後ろ向きに収集する仕組みを導入している。
また、我々は、自然言語処理により、画像診断レポートから観察物やその臨床所見を部位やサイズなどの修飾表現を合わせて情報抽出する機械学習モデルを構築し、OCRネットの画像診断レポートに適応した。
本仕組みにより、医用画像を効率的に収集するとともに、電子症例報告書で収集した臨床情報や画像診断レポートから情報抽出した部位所見情報をアノテーションデータとして画像AI研究を行うことが可能である。
[略歴]
- 平成9年3月
- 大阪大学医学部医学科卒業
- 平成9年6月
- 大阪大学医学部附属病院 内科研修医
- 平成10年6月
- 大阪労災病院 循環器内科
- 平成18年3月
- 大阪大学大学院医学系研究科 博士課程 修了
- 平成18年4月
- ヒューマンサイエンス振興財団リサーチレジデント
- 平成20年4月
- 大阪大学医学部附属病院 医療情報部 医員
- 平成23年4月
- 大阪大学大学院医学系研究科医療情報学 特任助教
- 平成25年10月
- 大阪大学大学院医学系研究科医療情報学 助教
- 平成29年2月
- 大阪大学大学院医学系研究科医療情報学 准教授
- 令和4年4月
- 大阪大学大学院医学系研究科医療情報学 教授
- 現在に至る