シンポジウム3 講演3
ベンチャー企業が挑むAI開発
演者:
髙橋 秀徳
(DeepEyeVision株式会社, 学校法人自治医科大学)
[抄録]
演者は大学眼科で臨床をしつつ動物実験や臨床研究をしてきた。2015年に松尾豊著「人工知能は人間を超えるか」と出会い、眼底写真を深層学習し、半年で精度が出て大学に職務発明の届けをした。大学卒業時に起業しなかった後悔があり、DeepEyeVision社を設立した。知財の売り込みをしたが、「顧客である医師の仕事を奪う知財は使えない」と医療機器メーカーに言われ、自力で世に出す事にした。インキュベーション施設に入り、起業指導と共にCTOを紹介して頂き、厚労省ベンチャー支援MEDISOからも指導頂いた。何でも診断するAIを自分の健診業務に使っていたが、承認取得は困難だった。一部の疾患に限定して承認を目指そうにも数年と数億円の負担が重い。そこで計測に留め、健常眼からの逸脱部位を可視化するDeepEyeVision for RetinaStationとして、2021年に認証を取得した。翌年にはもう1つ取得し、上市後に多数の要望を頂き、細やかな改善を続けている。
[略歴]
- 1995年
- 栄光学園高等学校卒業
- 2001年
- 東京大学医学部医学科卒業
- 2001年
- 東京大学眼科入局
- 2008年
- 東京大学大学院医学系研究科外科学専攻感覚・運動機能医学講座眼科学修了
- 2008年
- 東京大学医学部附属病院眼科視覚矯正科助教
- 2009年
- 東京厚生年金病院眼科医長
- 2012年
- 自治医科大学眼科講師
- 2016年
- DeepEyeVision創業
- 2017年
- 自治医科大学眼科准教授(現職)
- 2018年
- 日本眼科学会戦略企画会議第五委員会「次世代医療(AI、ビッグデータ、遠隔医療)」委員
- 2020年
- 自治医科大学データサイエンスセンター副センター長・日本眼科AI学会評議員