シンポジウム2　講演3

演者：
梁川　雅弘
（大阪大学 大学院医学系研究科 放射線医学統合講座放射線医学）

[抄録]
シーメンスヘルスケア社より半導体検出器を搭載したPCD-CT（photon-counting detector CT）が臨床機（NAEOTOM Alpha）として登場した。PCD-CTは、従来のEID-CT（energy-integrating detector CT）と比較して、空間分解能（面内分解能0.11mm、体軸分解能0.20mm）やエネルギー分解能（エネルギーbinに対応したX線フォトン数算出）に優れ、低被曝、低造影剤量であっても、高分解能かつ物質弁別を可能にするCT画像診断の新時代を担う装置といえる。当院では今年の2月よりPCD-CTが臨床現場で稼働したところである。本講演では、EID-CTの高精細CTとPCD-CTの画質を伸展固定肺の撮像により比較した検討や胸部領域を中心とした臨床例を中心に、PCD-CTの臨床的有用性や課題、今後に期待される技術などについて文献的考察を加えながら解説する。本講演がPCD-CTの胸部画像診断について、知識の整理や明日からの臨床・研究面において一助となれば幸いである。

[略歴]
平成13年大阪大学医学部卒業。臨床研修期間をへて、
平成16年4月より大阪府立成人病センター放射線科常勤
平成18年4月より大阪大学大学院医学系研究科放射
線医学講座の大学院入学
平成21年3月大学院早期修了
平成21年4月より大阪大学大学院医学系研究科放射線医学講座医員
平成24年4月より同　助教
平成25年4月よりスタンフォード大学放射線科に留学（客員助教）
平成26年4月より大阪大学大学院医学系研究科放射線医学講座助教（学部内講師）
令和元年7月より同　講師。現在に至る。

学会活動や委員歴
1. 日本医学放射線学会（JRS）
2. 北米放射線学会（RSNA）
3. 日本核医学学会
4. 日本肺癌学会（JLCS）
5. 日本呼吸器学会
6. 日本CT検診学会
7. 日本磁気共鳴医学会
*JRS代議員
*JRS専門医制度委員
*JRS専門医制度広報委員会委員
*JRS編集委員：JJR Associate Editor
*臨床画像編集協力委員
* JLCS画像診断委員会委員
* JLCS肺がん検診委員会委員
* JLCS診療ガイドライン小委員会委員
*European Radiology:Scientific Editorial Board Member (Chest section)
*Radiology: AI Associate Editor
*RSNA: RadioGraphics Panel Review
専門分野：胸部領域全般。特に、肺癌をはじめとした胸部腫瘍性病変の画像診断や臨床研究など。